仕事ときどき女の子

仕事も女の子もがんばらなくなりましたが、豊かに生きてます。

最期の味は水羊羹

あれから約2週間、祖母が亡くなった。

先週金曜日、朝起きたら母親からあっさりしたショートメールが届いていた。覚悟はしていたとはいえ、涼しくなってきた頃また会いに行くねって約束したけど叶わなかったなと思ったり、曾祖母にそろそろこっちに来いと言われて祖母は拒絶したもののついに観念してそっちに行ったんだなって思ったり、じっとしているとただただ悲しかった。デスクに着席し仕事をし、中抜けし喪服一式を揃え、オフィスでミーティングを4本こなした。忌引きをいただくのでと断ってタスク類を同僚に引き継ぎ20時頃オフィスを出て、コンビニで祖母の大好きだったモンブランを買い食べた。

今日一日で葬儀から納骨まで済ませた。慣れないパンプスを履いて駅でズッコケた。暑いしラッシュの電車は最悪だし、でも前日から実家に帰る選択もせずに、電車を乗り継ぎ、現金払いしか選択肢がない高齢化甚だしいタクシー会社のタクシーに揺られ、葬儀場へ向かった。

祖母はとてもきれいだった。家族の写真、私が小さい頃の写真、買ってもらったミニーマウスのぬいぐるみを抱く私と祖父母の写真などが棺に入れられ、きれいな花に囲まれて火葬された。少しの骨と、人工関節が残った。祖母がこの世で最後に食べたのは、私が手土産で持っていった水羊羹だったらしい。

数年ぶりに合う両親は数年分の歳を取っていて、大して話をせず妹と話をしてやりすごした。母、妹、私で車に乗っても、まるで私がいないかのように2人で話が進んでいく。最近元気?とも聞かないし聞かれない。父親は相変わらず文脈をガン無視して話しかけてくるし、その空間にいるとそれが普通で、私も麻痺してきてリアルタイムで歪さを感じられない。そういう家族なんだな、なんだか仕方ないな、という気持ちになった。仕事をしていた方が楽だなと思った。

この世の人間がスライドするようにいなくなっていく。私の祖父母4人は皆スライドしてこの世から去っていった。私は後世を残さずにこの世からスライドしていなくなる。そんなことを考えながら家に帰ってきた。一人になったらちょっとだけ寂しくてYouTubeでMVなどを流し続けている。

 


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